**No.7**

あたしは駿の言葉に安心したせいか、また眠りについた。


ザワザワ・・・

「こんな事していいの~?」「こんぐらい当然だろっての。」

騒がしい声に目が覚めた。

気がついたら、由梨たちがベッドの周りを取り囲んでた。

心臓の動悸が激しくなるのが分かった。

怒りと悲しみの感情が溢れ出た。

「何?」あたしは聞いてみた。

「何ってひどい言い方じゃない?起こしに来てあげたのにぃ~。」

「いいよ、まだ寝たいから。」

「あ、そ。じゃずっとココで寝てな。」

そういうと由梨達はあっさり帰っていった。

ところが帰り際に、ガチャリという音がした。

おかしいと思ったからドアの所まで行ってみた。

鍵がかかってる!!

由梨は鍵をかけて出て行ったみたいだ・・・

どうしよう・・・

医務室は内側から鍵を開閉出来ないようになっている。

ましてや今日は医務の先生は休んでいて、医務室にはあまり人が来ない。

このままじゃ明日の朝まで閉じ込められる!!!

「誰か!鍵開けて!!」

叫んではみたものの誰もくる気配がない。

「お願い!!誰か来て!!!」

何度も叫んだけど人は来ない。

なぜか涙が出てきた。

こぼれ落ちそうな涙をこらえ、時計を見ると、もう3時を過ぎていた。

一時間目の休み時間から今までずっと寝ていたのか・・・

その時、鍵が開いて先生が入ってきた。

「あれ?花沢(はなざわ。千沙の苗字)、まだ帰らないのか?もう下校の時

間だぞ?」

さっきこらえた涙が今になって流れ落ちてきた。

「花沢?どうしたんだ?今日お前変だぞ?」

「・・・なんでもないです・・」

涙声と涙を我慢しながらそう一言言って医務室を急ぎ足で出て行った。 

**続く**



© Rakuten Group, Inc.